
概要
| 業種 | サービス業(遊技場運営) |
|---|---|
| 導入サービス | EQPI®(EQ検査)/EQPI®アナリスト養成講座 |
| 対象 | 経営層・管理職・全従業員 |
1952年に佐賀県唐津市で創業し、地域に根ざした遊技場「キングホール」グループを運営する株式会社新富商事様。
「全従業員の物心両面の幸福を全員参加で追求し、お客様に明るく楽しい憩いの広場を提供する」「全員参加で地域社会の進歩にあらゆる貢献する」というフィロソフィーをもとに、具体的な価値観を「11エッセンス」に落とし込み、さらに行動レベルにまで細分化した「魂の行動ルール」を掲げています。
2023年からEQPI®検査の導入と、EQを取り扱う専門資格であるEQPI®アナリスト(以下、EQ認定メンバー)の内製化をスタート。現在は12名のEQ認定メンバーが理念浸透と人材育成を支えています。
株式会社新富商事様
常務取締役 新冨 雅哉様
マネージャー(ホール人材育成・教育指導) 百崎 千夏様
KINGHALL555和多田本店 キャプテン 平方 好晃様
KINGHALL555和多田本店 サブキャプテン 北方 悟様
KINGHALL333鏡 キャプテン 園田 竜太様
背景と課題
- フィロソフィーを言葉だけで終わらせず、従業員一人ひとりの行動レベルまで落とし込むことが課題だった
- 他の自己分析ツールを導入していたが、他者理解と分析だけでなく、行動変容につなげる必要性があった
- 現場では小さな衝突や人間関係の問題が発生し、離職率が高い時期もあった
- 業態の特性上、お客様の感情の起伏が大きくなるケースもあるため、現場対応において適切な感情のコントロールが求められる
EQ導入・活用内容
- EQPI®アナリスト養成講座を活用し、社内に12名のEQ認定メンバーを配置
- EQPI®(EQ検査)を全社員に実施し、その結果を社内で共有・可視化
- 社内メンター制度を導入し、月1回の1on1を実施
- オリジナルのステップアップボードで全社員の目標設定と進捗を共有
- フィロソフィーを行動に落とし込んだ「魂の行動ルール」を、EQの12指標と紐づけて必要な振る舞い方を明確化した
効果・変化
- 社員それぞれの自己理解が深まり、感情のぶつかり合いが減少
- 感情や価値観を言語化して伝え合うことで、相互理解が促進
- EQPI®の相性をベースとした人材配置とメンターペアリングで、人間関係のトラブルが減少
- オリジナルのステップアップボードで全社員の目標設定と進捗を共有
- 離職率が低下し、一度離職した社員が戻ってくるケースも
経営理念を実現するために、辿り着いたEQ

新冨常務:
弊社は創業以来、「全従業員の物心両面の幸福」と「お客様に明るく楽しい憩いの広場を提供する」という理念を大切にしてきました。理念や行動指針を額縁の言葉で終わらせないためには、一人ひとりの行動レベルに落とし込む必要があります。そのために経営学を学び続ける中で、辿り着いたのが「感情知能(EQ)」の重要性です。
平方:
実はEQの前に、別の自己分析ツールを導入していたんです。ただ、自己理解と他者理解までは進んだのですが、「では実際にどう行動を変えればいいのか」という部分までは至りませんでした。
北方:
ある日、常務から「これ読んでおいて」と、EQの本を渡されたのが始まりでした。
「相手と自分は違う」という前提で、相手を分析するだけでなく、もっと自分自身に向き合い、自分の行動をどう変化させるか、自分はどうすればいいのか。それが明確になり、実践できるのがEQPI®の特徴だと思います。
新冨常務:
「感情」や「対人関係」というと、ふわっとしたイメージがありますが、EQPI®ではEQが数値化されているので、ロジカルに説明できるところも導入の決め手になりました。
EQ認定メンバーを中心とした、日常的なEQ活用

活用事例①内製化で基盤づくり
新冨常務:
EQ導入を決めたときから、外部講師に依存せず、社内で認定者を育てて内製化する方針に決めていました。EQPI®アナリスト養成講座という仕組みがあるので、誰か一人が講師になるのではなく、みんなが先生になればいいというシンプルな考え方でした。教えることが一番の学習にもなります。
最初は百崎さんと平方さんの2人でスタートし、現在は社内に12名のEQ認定メンバーがいます。共通言語と前提知識を持った人間が組織内に増えると、対話の質と速度が一気に上がりますね。
そして何より私自身が、一番の学び手でありたいと思っています。「言葉で伝える」のではなく「行動で示す」。経営者である自分が学び続け、実践している姿を見せることが、社員にとっての一番のメッセージになると考えています。
活用事例②EQPI®の共有・活用
百崎:
全社員がEQPI®検査を受けて、その結果を社内データとして共有しています。人事配置、個別面談、メンターのペアリングなど、あらゆる場面で活用しています。
また、各事務所に「ステップアップボード」というオリジナルの掲示板を設置して、全員の目標とEQトレーニングの内容をカードに書いて貼り出しています。誰がいまどんなトレーニングをしていて、進捗はどのぐらいか。メンバー全員に見える状態になっているんです。
平方:
人材配置に悩んだときにも、EQPI®の数値を参考にしています。ある店舗に集中的に力を入れることになったとき、すぐに行動ができる人材が必要でした。EQPI®をもとにメンバーを選んだところ、うまくいった実感がありました。

北方:
EQPI®がもっとも活用できていると感じるのは、メンター制度ですね。人と人には相性があることがEQPI®の数値で見えてくるので、その相性をもとにペアを組んでいます。その結果、衝突はかなり少なくなりました。
園田:
メンター制度のペアは、月1回の1on1で進捗や悩みを話し合っています。私も1on1で話すときは、EQPI®のデータを見ながら話すことが多いです。自分を知り、相手を知るために、これからもEQをどんどん使っていきたいです。

百崎:
EQも大事ですが、EQPI®で可視化される性格特性(Personality)にも注目しています。社内イントラに社員全員の性格特性(Personality)グラフを掲載して、いつでも見られるようになっています。相手の特性を事前に知っておくことで、面談や指導の際に伝え方を工夫できます。
園田:
弊社の理念を実践してくれているメンバーが徐々に増え、EQをはじめとしたスキルを組み合わせながら、どんどんステップアップしているのを感じます。「人の可能性は無限大」だと実感しますね。性別・年齢・学歴などに関わらず、大人になっても成長を続けてほしいです。会社のためだけでなく、社会に必要な人材になっていくことが一番のゴールだと思っています。
活用事例③対話スキルとしてのEQ
平方:
仲間が落ち込んでいるようなときは、まずは気持ちを聞くようにしています。「情と理で人は動く」と習いましたが、理だけでなく、必ず「情」の部分を聞くように心がけています。
園田:
挨拶のトーンや目線で、なんとなく「元気ないかも」と感じるときがありますね。ただ、自分で解決する状況を作ってあげることも大事なので、すぐには声をかけず、しばらく様子を見ることもあります。変化がないようであれば、1対1になったときにさりげなく聞いてみたり。
生の感情と向き合うのはちょっと怖いときもありますが、私自身も誰かに話を聞いてもらってスッキリした経験があるので、少しでも楽になってくれたらいいなという気持ちです。

平方:
お客様対応の現場でも、EQを自分自身に向けて使っていますね。お客様が少し怒ってらっしゃるようなとき、「これを受け取ったら、心が疲弊しちゃうな」と認識して、話はきちんと聞きますが、感情は受け取りすぎないようにしています。「自分の心を大事にしよう」と思えたのも、EQPI®のおかげですね。
綺麗な部分だけを見せるように演じ続けなきゃならないと思ってきたのですが、そうではなく、「時には演じない自分がいてもいいじゃないか」と、自分を許せるようになりました。
園田:
この業界は勝ち負けの世界なので、感情的になってしまうお客様も多いのも事実です。EQを使っているという意識がなくても、自然と距離やタイミングを測っているような気がします。
継続的な学びの機会が行動へとつながる

新冨常務:
理念を浸透させるために大事なのは、とにかく繰り返し継続すること。やり続けるしかありません。EQについては、これを学べばみんなが幸せになるという確信があるので、全員がいずれ必ず理解してくれると信じて行動と発信を続けています。
弊社では毎月シニアクラスの社員向けに「フィロソフィー研修」を実施し、フィロソフィーについて繰り返し学ぶ機会を作っています。
平方:
人ってどうしても忘れてしまう生き物なので、月1回のフィロソフィー研修は「思い出す仕組み」の土台になっている大事な研修ですね。
新冨常務:
基本的にずっと同じことを話し続けているのですが、その時々でメンバーの状況が変わっていくので、それぞれの変化と成長が感じられるのが非常におもしろいですね。
百崎:
繰り返し学ぶ中で、自分の中でカチッとハマる瞬間があるんですよね。「ああ、そういうことだったのか」と。それは自分で経験しないと、なかなか説明できませんね。

北方:
フィロソフィー研修では毎回全員が発表することになっているので、話すことを考える時間であったり、他のメンバーの話を聞いているときだったり、実感する機会が多いほど身に付いていくのだと思います。浸透させる仕組みがきちんとできているんですよね。
新冨常務:
ここまでみんなが言語化できること自体が、素晴らしいことだと思いますね。EQもフィロソフィーも、とにかく社内で実践者を増やして、伝道師になってもらうのが一番なんです。
平方:
フィロソフィーを具体的な行動に落とし込んだのが「魂の行動ルール」。もともとは「ハンカチを持ちなさい」「使ったものは元に戻す」など基本的な行動指針を示す内容でした。最初は6項目ほどから始まり、それが年々増えていき、気づけば40項目近くになっていたんです。2025年にはそれを大きく見直し、EQの12指標と紐づける形でアップデートしました。私たちの変化に伴い、この行動ルールも毎年見直され、更新されています。

新冨常務:
弊社の理念は3層構造になっています。頂点に「フィロソフィー(経営理念)」があり、それを11個の価値観に噛み砕いた「11エッセンス」、さらに日々の行動レベルに落とした「魂の行動ルール」があります。この「魂の行動ルール」をEQの12指標と紐づけて再編成しました。バラバラの学びではなく、すべてが原点であるフィロソフィーに帰結する仕組みになっているんです。
「人と人は違う」ー感情を分けて見つめるスキル
北方:
EQを学んでから、感情の揺れ動きは以前よりもずっと少なくなりました。イライラしそうになったらまずは「人と人は違うよね」という大前提を思い出します。相手に原因を見つけて追求するよりも、相手に理由を聞いて、自分が理解するように心がけています。
新冨常務:
「心のベクトル」が相手に向くと、人はイライラしてしまうんです。それをどう自分自身のほうにぐいっと引っ張るか。心のベクトルが自分に向けば、イライラは消えますし、イライラするだけ損だと思うようになります。これはもう思考の訓練ですよね。
北方さんは論理的で芯が強い人なので、周囲からは一番変わらなそうに見えていたんですよ。それが、本当に変わりました。

北方:
私は周りから「冷たい」と言われることが多くて、仲間とぶつかることもよくありましたが、いまは本当になくなりました。性格や考え方が変わったというよりは、EQのスキルとして感情をうまくコントロールできるようになり、表現の仕方が変わったんだと思います。
平方:
プライベートでもEQを意識するようになりましたね。家族にはつい甘えてしまって感情のまま動いてしまいがちでしたが、ひと呼吸置くように心がけてみたり。つい感情的になってしまったとき、「ああ、いまEQ使えてなかったな」と冷静に振り返れるようになったのも、ひとつの成長だと感じています。
百崎:
私も、家族に対して以前よりも穏やかに接することができるようになったと思います。感情が揺れ動いてしまうときは、相手の言動が原因というよりも、「私いま余裕がないのかな」「リフレッシュが必要かも」と自分の状態を見つめられるようになりました。
フィロソフィーとEQをかけ合わせ、誰もが幸せな会社へ

新冨常務:
私は「社員全員が、同じレベルの知識を持っていれば最強の組織になる」と本気で信じています。共通言語と前提知識を全員が持っていれば、対話の質も理解のスピードもすべてが変わります。EQ認定メンバーをさらに増やしていくことも、そのひとつの手段かもしれません。
EQ社さんが提供するEQPI®アナリスト向けのフォローアップ研修も活用しながら、認定メンバーのレベルもさらに引き上げていきたいと考えています。
フィロソフィーとEQをかけ合わせ、一人ひとりの可能性を最大限引き出し、理念である「誰もが幸せな会社」をこれからも目指していきたいです。

